JAPAN2−3ITALY

開始10分で2失点。しかしパラグアイ戦とは違って、ミスとするのは
やや違う「実力差」だったか。
1失点目は左サイド、スクッリが徳永のファウルぎりぎりのタックルを
うまくかわしてクロス。そのボールにデ・ロッシが芸術的なオーバーヘッド。
徳永はおろか、曽ヶ端にも非はない。唯一理由付けするならば今野が
かぶってしまった事が理由。


2失点目はトゥーリオのフィードパスをフェッラーリがクリア気味の
カット。これがジラルディーノにつながり、最終ラインの茂庭がかわされ
曽ヶ端もうまくタイミングを外されて流し込まれた。
これはパスを出したトゥーリオがラインを上げられずに、オフサイド
取れなかったのが原因。カバーに行くにも距離があり過ぎた。


3失点目も左サイドを破られ、モレッティのクロスにジラルディーノ
下がりながらのヘディング。これもジラルディーノを褒めるべきシーン
だった。


一方日本の得点シーン。1点目は阿部の文句のつけようのない直接FK。
2点目も阿部のFKからファーサイドの高松が折り返し気味にヘディングで
合わせたもの。
ともにセットプレーとは言え、一瞬の隙を突いて攻撃出来た事は評価出来る。


しかし、だ。この試合負けてグループリーグ敗退が決まってしまった
以上は何かしらの問題がある。
今大会の場合はおそらく多くの人が監督の采配と答えるのではないだろうか。
まずはスタート。相手のサイド攻撃を防ぐ意味で4バックは理論上間違って
はいない。
しかし、このチームはほとんど3バックで戦ってきたチームで、急造4バック
では世界レベルのイタリアの攻撃を防ぐには至らなかった。
もちろん両サイドバックは専門の徳永、駒野が頑張ったが、それ以前に、
中盤より前から守備を含めた全体の動きに安定さがなかった。
そして小野がかなり低い位置まで下がって来た為に松井1人ではボールを
キープ出来ない点も痛かった。これで2トップに入るボールが極端に減って
しまった。


次は最後の交代カード。負けている状態で残り時間も少ない。ここは
パワープレーをするべきだったが、交代したのは松井に代えて森崎。
確かに松井は疲労が見られたし、サイド攻撃が少なくなっていた中での
サイドプレーヤーの投入という点では問題ない。
しかし、時間のないあの状況では高松と平山のツインタワーに放り込む
方が良かったのではないか。例えイタリアのDFが屈強だったとしても。
実際森崎は終了まで殆ど何もする事無くプレーしてしまった。


負けている状況でFWの枚数を増やすというのは単純だが1番効果のある
作戦だ。
A代表アジアカップで対戦したバーレーン、ヨルダンは日本の3バックに
対し3トップで臨んできた。スタートからの作戦だがこれも同じ事であろ
う。そして結果はご存知の通り、日本を相当に苦しめた。中澤がいなければ
どちらかに負けていたかも知れない程だ。
それ以前になると'02W杯の韓国代表だ。このチームはとにかく走った
が、得点が必要な場面ではFW登録の選手をどんどん投入して戦っていた。
イタリア戦では最も顕著に効果が現れた。


つまり山本監督は最も身近でチームを観ていながらあまりチームの事を
よく理解出来ていなかったのだ。
試合後の会見で

今日は3トップでした

平山を投入しなかった理由について

ほかのベストな布陣を考えたからです

と言っているが、

3トップは高松、大久保ともう1人は誰だったのか

松井? とてもそういった動きには見えなかった。あれで3トップだったと
言い張るならば松井は機能的な動きをしていたとは言えない。前半で下げ
るべきだった。
そして今まであるバリエーションからではなく、初めてのテスト布陣の
ような戦い方がベストな布陣と言うならば今までの準備期間は全て無駄だ
ったという事だ。




何にせよ山本さんは彼の性格から言ってもこれで監督を降りるだろう。
選手たちはもうこのクラスから離れ、A代表へチャレンジしていくが
山本さんはA代表のスタッフにも入らないほうがいいだろう、と協会の
お偉方に忠告しておく。


でもアッズーリティフォーゾとしてはこの勝利は喜ばしいです。はい。
<追記>
もしかして日本の3トップは

    高松
大久保    松井

とか言うんじゃなくて

大久保    高松
    松井

って事? だったらまぁ分からなくもない。一応3トップだ。